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スプライシング因子が抗体の体細胞高頻度突然変異に必須であることを世界で初めて解明
岡山大学大学院自然科学研究科・金山直樹准教授(細胞機能設計学)、大森 斉教授(細胞機能設計学)らの研究グループが抗体の親和性成熟の過程で起こる体細胞高頻度突然変異に、スプライシング因子SRSF1 のアイソフォーム3(SRSF1-3)が必須であることを世界で初めて発見し、米国科学アカデミー紀要(PNAS)電子版に平成24年1月9日に発表しました。今回の発見は、体細胞高頻度突然変異を抗体遺伝子のみに限定させるメカニズムの一端を明らかにしたという点で重要です。本成果は、抗体遺伝子への体細胞突然変異の制御方法の開発につながり、有用な抗体の作製に応用可能です。また、SRSF1-3が関与する分子メカニズムを詳細に解析することにより、体細胞高頻度突然変異の制御メカニズムの破綻と発ガンリスクとなる突然変異の発生の関連についても明らかなることが期待されます。 岡山大学大学院自然科学研究科・金山直樹准教授(細胞機能設計学)、大森 斉教授(細胞機能設計学)らの研究グループが抗体の親和性成熟の過程で起こる体細胞高頻度突然変異に、スプライシング因子SRSF1(※1)のアイソフォーム(※2)3(SRSF1-3)が必須であることを世界で初めて発見し、米国科学アカデミー紀要(PNAS)電子版に平成24年1月9日に発表しました。抗体は、免疫システムにおいて身体に侵入した病原微生物や毒素に特異的に結合し、不活化させたり排除したりする重要な役割を担っています。抗体の標的抗原に対する親和性(※3)は、標的抗原に感作した後、経時的に向上し、効率的に標的抗原を身体から排除できるようになります。この抗体の機能向上は、親和性成熟と呼ばれます。この過程は、抗体の抗原結合部位の遺伝子に、非常に高頻度に突然変異(体細胞高頻度突然変異)が導入されることにより起こります。制御されない突然変異は、発ガンのリスクとなるなど生命にとって危険な現象ですが、体細胞高頻度突然変異がどのようなメカニズムで抗体遺伝子のみに限定されているかについては不明でありました。今回の発見は、このメカニズム解明の重要な手がかりとなります。 体細胞高頻度突然変異の発生には、抗体遺伝子の転写と、その際に起こる抗体遺伝子二本鎖DNA がほどけて一本鎖DNA になることが必要であることが知られていましたが、一本鎖DNA の発生機構については分かっていませんでした。研究グループは、遺伝子の転写に伴って起こるRNA のスプライシングに必須の因子であるSRSF1の働きに着目し、そのアイソフォームの一つであるSRSF1-3が、体細胞高頻度突然変異に必須であることを発見しました。特に重要なのは、SRSF1-3 が抗体遺伝子上の高頻度突然変異のみに関与し、発ガンの原因となるような抗体以外の遺伝子の変異には全く関与しないことです。SRSF1の機能が不全になると、一本鎖DNAが発生することから、SRSF1-3は抗体遺伝子のみでSRSF1の機能を抑制して一本鎖DNAを発生させていることが示唆されました。 <見込まれる成果> 今回の発見は、体細胞高頻度突然変異を抗体遺伝子のみに限定させるメカニズムの一端を明らかにしたという点で重要です。本成果は、抗体遺伝子への体細胞突然変異の制御方法の開発につながり、有用な抗体の作製に応用可能です。また、SRSF1-3が関与する分子メカニズムを詳細に解析することにより、体細胞高頻度突然変異の制御メカニズムの破綻と発ガンリスクとなる突然変異の発生の関連についても明らかなることが期待されます。 <原論文情報>
詳細は報道発表資料 <お問い合わせ> 岡山大学自然科学研究科(工学部化学生命系学科) 金山直樹 (電話番号)086-251-8198 (12.01.12) |


